単にいまやってるお芝居をネット配信するだけみたいのは絶対したくないです。
「え、じゃあ、一体何がしたいんですか???」
いや、これが答えだっ!演劇の未来だっ!っていう程のビジョンはないんですけど…とりあえず、自分はこれをやりたいっていうのはあります。
「なんですか」
これです。
「これ…(笑)」
なんですか、STUDIO OVER DRIVEの創さん。
「『エンディングまで死ぬんじゃない!』って、MOTHERですよね?」
あ、よくご存じで。ファミコンの名作ソフト「MOTHER」のTVCMとかで使われてたキャッチコピーのパクリというかオマージュです。「エンディングまで泣くんじゃない」が元ですね。これ、マザーのシナリオが糸井重里さんだから、ずっと糸井さんの書いたコピーだと勘違いしてたけど違うんですね―。
「あ、そうなんですかー」
それはさておき。この【上演中にリアルタイムで行われる観客の電子投票】で【ストーリーが分岐していくマルチエンディング型展開の舞台公演】をやりたいんです。実は、一年くらいまえに一度この企画でやってるんですけど、色々と問題がありまして…。
「と、言いますと?」
まず、マルチエンディングで複数ルートのラストシーンを用意していたのに、全8ステージとおして、「BAD END」にしか辿りつけなくて、「ハッピーエンド」の稽古をしていた出演者は涙目だったんですよね。
「(笑)」
なんていうか、毎ステージ同じような選択肢が選ばれてしまって。明らかに間違いとわかる一番突飛な選択肢ばかり選ばれてしまうんです。だから、複数回観劇した人も、結局同じバッドエンディングを何回も観ることになってしまったりして。不満が出ました。この辺は、根本の仕組みから少し改善したいなと。
「なるほどー」
携帯からオンラインでリアルタイム投票をしてもらうんですけど、その辺のネットワークとかシステム周りもきちんと作りこみたいと思ってます。
「お話聞いてると、そんなに難しくはなさそうですけどね」
そうですか!?あ、もし、次回この辺何かお知恵を借りれる部分あったら今度また相談させてください。
「ええ、できることがあればぜひ」
「でもイトウさん」
なんですか、STUDIO OVER DRIVEのオカザキさん。
「この企画はあくまで劇場に来たお客さん向けで、ネットを使ってはいますけど、先ほどの、ネットで地方のお客さんとも繋がれるような演劇…という話とは違いますよね?」
そのとおりです。いずれは、この企画をネットを通してストリーム配信と同時にできるような形に進化させていたきたいと思ってます。
「え、そうなんですか?」
はい。ただ、そのためには、ネットの画面越しに観てるお客さんに、どう臨場感と必然性を持って観劇してもらうかというところをクリアしていかないと。「敢えてネットで観たい!」というくらいの価値を生み出せないと、演劇の生配信は難しいと思ってます。この「リアルタイム選択肢分岐型演劇」だったら、そういうバリューを作り出せるんじゃないかなと、試考錯誤中です。
「なるほどー。がんばってください。」
ありがとうございます。そういうのが当たり前になっていくためにも、もっともっと小劇場演劇界にITが浸透していって欲しいですね。
「自分も、もっともっとサービスを利用してもらえるように広めて行きたいです。」
そうなって欲しいです。
emotedさんのサービスの中では特に「戯曲イーパヴ」に可能性を感じます。上演後、お蔵入りして二度と人目に触れることのなかった無数の戯曲たちが、息を吹き返して世界に公開されるチャンスだと思うので。
「良いと思うんですけどね。なかなか利用者が増えていかなくて。まだまだ自分でも宣伝活動が足りないとは思ってます。」
イトウ的には戯曲賞なんかを主催したらいいんじゃないかと思いますよ。
「戯曲賞?」
そうです。「第一回・戯曲イーパヴ戯曲賞」みたいな。サービスを利用して電子書籍化することで、エントリーというかノミネートできる戯曲賞です。小劇場界の作家をフィーチャーする意味もあるし、サービスの利用者数を増やす良いイベントになるんじゃないですか。
「なるほどー面白いですね。メモしときます」
ついでに、その戯曲賞の選考員として、少し年配というか大御所の劇作家さんにお声かけするんです。そうすると、必然的に、その年配大御所の作家さんも戯曲イーパヴを利用する流れになりますよね。選考員がサービスを利用してないのは格好がつかないので。それで、その方が戯曲の電子化を利用すれば、他の年配の作家さんや、ITアレルギーの有る方にも今後、サービスを進めやすくなるっていう…。
「なるほどーいいですねー!」
なんだかんだ、賞がもらえるっていうのは、嬉しいと思うんです。作家さんはやっぱり。電子化で広く作品を広める手伝いをするっていうコンセプトにも合ってますし。
「色々やりようはあるんですね。勉強になりました」
こちらこそ、勉強になりました。なんか後半イトウばっか言いたいこといって喋り過ぎました…すみません。ITと演劇の両方の話をして両方わかってくれる方に今まで会えたことがなかったので…うれしくて調子に乗りました。
「それは良かったです(笑)」
今後ともなにかあればよろしくお願いします。
(終)
「え、じゃあ、一体何がしたいんですか???」
▼前回の投稿
⇒【IT×演劇 3】高校演劇OBは年間数万人 ⇒ 増えない演劇人
▼前前回の投稿
⇒【IT×演劇 番外】モバイル・オリコミの企画書を公開しました
▼前前前回の投稿
⇒【IT×演劇 2】演劇じゃヒルズは無理ですよ?
▼前前前前回の投稿
⇒【IT×演劇 1】舞台用プロダクト・サービスの技術者集団emoted
いや、これが答えだっ!演劇の未来だっ!っていう程のビジョンはないんですけど…とりあえず、自分はこれをやりたいっていうのはあります。
「なんですか」
これです。
「これ…(笑)」
なんですか、STUDIO OVER DRIVEの創さん。
「『エンディングまで死ぬんじゃない!』って、MOTHERですよね?」
あ、よくご存じで。ファミコンの名作ソフト「MOTHER」のTVCMとかで使われてたキャッチコピーのパクリというかオマージュです。「エンディングまで泣くんじゃない」が元ですね。これ、マザーのシナリオが糸井重里さんだから、ずっと糸井さんの書いたコピーだと勘違いしてたけど違うんですね―。
「あ、そうなんですかー」
それはさておき。この【上演中にリアルタイムで行われる観客の電子投票】で【ストーリーが分岐していくマルチエンディング型展開の舞台公演】をやりたいんです。実は、一年くらいまえに一度この企画でやってるんですけど、色々と問題がありまして…。
「と、言いますと?」
まず、マルチエンディングで複数ルートのラストシーンを用意していたのに、全8ステージとおして、「BAD END」にしか辿りつけなくて、「ハッピーエンド」の稽古をしていた出演者は涙目だったんですよね。
「(笑)」
なんていうか、毎ステージ同じような選択肢が選ばれてしまって。明らかに間違いとわかる一番突飛な選択肢ばかり選ばれてしまうんです。だから、複数回観劇した人も、結局同じバッドエンディングを何回も観ることになってしまったりして。不満が出ました。この辺は、根本の仕組みから少し改善したいなと。
「なるほどー」
携帯からオンラインでリアルタイム投票をしてもらうんですけど、その辺のネットワークとかシステム周りもきちんと作りこみたいと思ってます。
「お話聞いてると、そんなに難しくはなさそうですけどね」
そうですか!?あ、もし、次回この辺何かお知恵を借りれる部分あったら今度また相談させてください。
「ええ、できることがあればぜひ」
「でもイトウさん」
なんですか、STUDIO OVER DRIVEのオカザキさん。
「この企画はあくまで劇場に来たお客さん向けで、ネットを使ってはいますけど、先ほどの、ネットで地方のお客さんとも繋がれるような演劇…という話とは違いますよね?」
そのとおりです。いずれは、この企画をネットを通してストリーム配信と同時にできるような形に進化させていたきたいと思ってます。
「え、そうなんですか?」
はい。ただ、そのためには、ネットの画面越しに観てるお客さんに、どう臨場感と必然性を持って観劇してもらうかというところをクリアしていかないと。「敢えてネットで観たい!」というくらいの価値を生み出せないと、演劇の生配信は難しいと思ってます。この「リアルタイム選択肢分岐型演劇」だったら、そういうバリューを作り出せるんじゃないかなと、試考錯誤中です。
「なるほどー。がんばってください。」
ありがとうございます。そういうのが当たり前になっていくためにも、もっともっと小劇場演劇界にITが浸透していって欲しいですね。
「自分も、もっともっとサービスを利用してもらえるように広めて行きたいです。」
そうなって欲しいです。
emotedさんのサービスの中では特に「戯曲イーパヴ」に可能性を感じます。上演後、お蔵入りして二度と人目に触れることのなかった無数の戯曲たちが、息を吹き返して世界に公開されるチャンスだと思うので。
「良いと思うんですけどね。なかなか利用者が増えていかなくて。まだまだ自分でも宣伝活動が足りないとは思ってます。」
イトウ的には戯曲賞なんかを主催したらいいんじゃないかと思いますよ。
「戯曲賞?」
そうです。「第一回・戯曲イーパヴ戯曲賞」みたいな。サービスを利用して電子書籍化することで、エントリーというかノミネートできる戯曲賞です。小劇場界の作家をフィーチャーする意味もあるし、サービスの利用者数を増やす良いイベントになるんじゃないですか。
「なるほどー面白いですね。メモしときます」
ついでに、その戯曲賞の選考員として、少し年配というか大御所の劇作家さんにお声かけするんです。そうすると、必然的に、その年配大御所の作家さんも戯曲イーパヴを利用する流れになりますよね。選考員がサービスを利用してないのは格好がつかないので。それで、その方が戯曲の電子化を利用すれば、他の年配の作家さんや、ITアレルギーの有る方にも今後、サービスを進めやすくなるっていう…。
「なるほどーいいですねー!」
なんだかんだ、賞がもらえるっていうのは、嬉しいと思うんです。作家さんはやっぱり。電子化で広く作品を広める手伝いをするっていうコンセプトにも合ってますし。
「色々やりようはあるんですね。勉強になりました」
こちらこそ、勉強になりました。なんか後半イトウばっか言いたいこといって喋り過ぎました…すみません。ITと演劇の両方の話をして両方わかってくれる方に今まで会えたことがなかったので…うれしくて調子に乗りました。
「それは良かったです(笑)」
今後ともなにかあればよろしくお願いします。
(終)