イトウです。
先日「ロリコンとうさん」出演者募集のためのワークショップオーディションを開催しました。
コロナを挟み実に４年ぶりの開催。2日間全4回で40人の参加者募集枠に対し、200人以上の応募がありました。おそらくコロナで俳優さんの出演する場の絶対数が少なくなっていたせいなのではないか、もしくはワンチャン公演タイトルが奇抜だったせいなのかはわかりませんが、なんにせよ劇団としては過去最大の応募者数です。嬉しい悲鳴です。本当にありがたい話です。
とはいえ、喜んでばかりもいられず。各回の定員を10人から15人に増やし合計で60人の枠にしたものの、それでも大半の方はお断りしなければならない、非常に苦しい状況です。もったいない…もったいない…もう一日増やせばよかった、とうめきながら、参加者の選抜を進めました。
まず、応募時に送信いただいた内容や添付書類は、全員分すべて読ませていただきました。参考のURLやSNS、You Tubeの動画などもすべて目を通したはずです。それらを元に「この人はどうしてもお会いしてみたい！」と思った方を「20人まで」と決めて、まず選びました。その後、残りの方を男女別に分け、エクセルで番号を振り、ネット上の抽選ツールを使ってランダムに選びました。
「いや、全部自分で選べよ」と思うかもですが、抽選をする理由が2つあります。
1つは、書類選考の書類をつくるのが上手い人が有利になりがちだから。2つ目は、イトウが選ぶと参加者の傾向がめちゃめちゃに（めちゃめちゃに）偏るから。
1つめについては…やっぱり200件以上の書類に目を通すって時、読みやすい経歴表とか、プロにちゃんと撮ってもらった写真とか、ボイスサンプルのある公式ホームページとかあると、どうしたって良いなあと思わされちゃうじゃあないですか。だってストレスなく読めるんで。流れるように選びたくなっちゃいます。楽だから。だけど、当然ながらその方が魅力的な役者さんかどうかは、会ってみなきゃわからないわけです。（もちろん、資料に隙がない、読み手を思いやってくれてるって感じるだけで、だいぶとプロっぽいな、信用できそうだな、人間的には大丈夫そうな方だなあと、すっごい安心はできるしそこも割りと重要なのですが…ファースト・プライオリティーじゃありません。）反面、簡素な書類で誤字脱字だらけ、必要最低限の事も書かれていないようなプロフィールに、適当にスマホで撮った旅行先での写真をトリミングしたようなものを貼り付けて応募してくるような方もいて。で、そういう方が役者として魅力的でないかと言われると…これも会ってみないことには全くわかりません。でもなんですけど、資料読むのに疲れてくると…選考が後半にいくほどマジで心が疲れてくるので、こういう資料の方を無意識に選外にしちゃうんです。何か理由をつけて。ピンと来なかったとか言って。疲れてるだけなのに。でも疲れるし。人間なので。…で、それは、ちょっといかんだろ、偏るだろ、という話です。
ただ、実は2つめの理由の方が本当は大きいです。イトウが選ぶと、あたりまえですが、自分の好みの人ばっか集まってしまいます。そうなると、同じようなセンスや面白さの人ばかりが集まってしまい、作品の登場人物に多様性も何もあったもんじゃないです。だけど一時期、そういう選び方でばかりやってた公演もあって、そうするとお芝居の中に「好人物」しか出てこない作品になりがちで。好きな人しか座組にいなくてアテ書きするんだから、そりゃそうなります。特にイトウは、気の合う人、善良な人、温厚な人、陽キャよりは陰キャな人を選びがちなので、そういうパーソナリティの役者さんを、「悪いやつ」としては描きにくく、結果、誰も悪い人が出てこない、優しい世界になりがちで…。だけど、せっかくフィクションをつくるなら、普段はあまり好まないような人物だとか、自分の琴線とか逆鱗に無遠慮にアタックしてくるようなセンスの持ち主にも、座組にいて欲しいじゃないですか、やっぱり。（実際、これまでもそういう役者さんに背中を押されたりお尻を叩かれたりしながら、自分の想像の範囲を超えるようなシーンができてきた実感があります。）だから一旦運を天に任せた方がいい、ランダム性をいれる必要が絶対ある、不意を突かれたい、そんな感じです。
で、結果、今回のワークショップオーディションでも、大いに不意を突かれ、大いに振り回され、ストレスを感じながら大変楽しい時間を過ごせたように思います。↓
…と、ワークショップオーディションを主催した側から、実際にはワークショップに参加できなかった方に向けての話を延々書いてしまいましたが、ご参加いただいた方からも「ご意見ご感想」をたくさんいただきましたので、よろしければお時間あるときにご覧いただければ幸いです。
▼【参加者アンケート】 ほぼ全文公開！『#ロリコンとうさん』出演者募集ワークショップ・オーディション2023
http://nice-stalker.com/archives/11666
先日「ロリコンとうさん」出演者募集のためのワークショップオーディションを開催しました。
コロナを挟み実に４年ぶりの開催。2日間全4回で40人の参加者募集枠に対し、200人以上の応募がありました。おそらくコロナで俳優さんの出演する場の絶対数が少なくなっていたせいなのではないか、もしくはワンチャン公演タイトルが奇抜だったせいなのかはわかりませんが、なんにせよ劇団としては過去最大の応募者数です。嬉しい悲鳴です。本当にありがたい話です。
とはいえ、喜んでばかりもいられず。各回の定員を10人から15人に増やし合計で60人の枠にしたものの、それでも大半の方はお断りしなければならない、非常に苦しい状況です。もったいない…もったいない…もう一日増やせばよかった、とうめきながら、参加者の選抜を進めました。
まず、応募時に送信いただいた内容や添付書類は、全員分すべて読ませていただきました。参考のURLやSNS、You Tubeの動画などもすべて目を通したはずです。それらを元に「この人はどうしてもお会いしてみたい！」と思った方を「20人まで」と決めて、まず選びました。その後、残りの方を男女別に分け、エクセルで番号を振り、ネット上の抽選ツールを使ってランダムに選びました。
「いや、全部自分で選べよ」と思うかもですが、抽選をする理由が2つあります。
1つは、書類選考の書類をつくるのが上手い人が有利になりがちだから。2つ目は、イトウが選ぶと参加者の傾向がめちゃめちゃに（めちゃめちゃに）偏るから。
1つめについては…やっぱり200件以上の書類に目を通すって時、読みやすい経歴表とか、プロにちゃんと撮ってもらった写真とか、ボイスサンプルのある公式ホームページとかあると、どうしたって良いなあと思わされちゃうじゃあないですか。だってストレスなく読めるんで。流れるように選びたくなっちゃいます。楽だから。だけど、当然ながらその方が魅力的な役者さんかどうかは、会ってみなきゃわからないわけです。（もちろん、資料に隙がない、読み手を思いやってくれてるって感じるだけで、だいぶとプロっぽいな、信用できそうだな、人間的には大丈夫そうな方だなあと、すっごい安心はできるしそこも割りと重要なのですが…ファースト・プライオリティーじゃありません。）反面、簡素な書類で誤字脱字だらけ、必要最低限の事も書かれていないようなプロフィールに、適当にスマホで撮った旅行先での写真をトリミングしたようなものを貼り付けて応募してくるような方もいて。で、そういう方が役者として魅力的でないかと言われると…これも会ってみないことには全くわかりません。でもなんですけど、資料読むのに疲れてくると…選考が後半にいくほどマジで心が疲れてくるので、こういう資料の方を無意識に選外にしちゃうんです。何か理由をつけて。ピンと来なかったとか言って。疲れてるだけなのに。でも疲れるし。人間なので。…で、それは、ちょっといかんだろ、偏るだろ、という話です。
ただ、実は2つめの理由の方が本当は大きいです。イトウが選ぶと、あたりまえですが、自分の好みの人ばっか集まってしまいます。そうなると、同じようなセンスや面白さの人ばかりが集まってしまい、作品の登場人物に多様性も何もあったもんじゃないです。だけど一時期、そういう選び方でばかりやってた公演もあって、そうするとお芝居の中に「好人物」しか出てこない作品になりがちで。好きな人しか座組にいなくてアテ書きするんだから、そりゃそうなります。特にイトウは、気の合う人、善良な人、温厚な人、陽キャよりは陰キャな人を選びがちなので、そういうパーソナリティの役者さんを、「悪いやつ」としては描きにくく、結果、誰も悪い人が出てこない、優しい世界になりがちで…。だけど、せっかくフィクションをつくるなら、普段はあまり好まないような人物だとか、自分の琴線とか逆鱗に無遠慮にアタックしてくるようなセンスの持ち主にも、座組にいて欲しいじゃないですか、やっぱり。（実際、これまでもそういう役者さんに背中を押されたりお尻を叩かれたりしながら、自分の想像の範囲を超えるようなシーンができてきた実感があります。）だから一旦運を天に任せた方がいい、ランダム性をいれる必要が絶対ある、不意を突かれたい、そんな感じです。
で、結果、今回のワークショップオーディションでも、大いに不意を突かれ、大いに振り回され、ストレスを感じながら大変楽しい時間を過ごせたように思います。↓
そういうわけで、抽選にもれてお断りしてしまった皆様、大変申し訳有りませんでした。虫の良い話で恐縮ですが、今後ともNICE STALKERをよろしくお願いいたします。NICE STALKER 「出演者募集ワークショップ・オーディション2023/2/18-19」全日程を終了いたしました。4年半ぶりのWSでしたが、2日間で4時間×4回、60人弱の魅力的で個性的で実に不敵な面々が集まり、互いに堪能しあう、レアで楽しい時間でした。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました！ pic.twitter.com/O9N4fIumpC
— イトウシンタロウ【舞台「ロリコンとうさん」2023年8/30水～9/3日＠下北沢ザ・スズナリ】 (@ITO_Shintaro) February 20, 2023
…と、ワークショップオーディションを主催した側から、実際にはワークショップに参加できなかった方に向けての話を延々書いてしまいましたが、ご参加いただいた方からも「ご意見ご感想」をたくさんいただきましたので、よろしければお時間あるときにご覧いただければ幸いです。
▼【参加者アンケート】 ほぼ全文公開！『#ロリコンとうさん』出演者募集ワークショップ・オーディション2023
http://nice-stalker.com/archives/11666