▲次回公演


イトウです。「短編演劇見本市」では、上演する作品の「オープンIP化」を謳っています。


「オープンIP化」ってそもそも何? なんか横文字使ってイキってんじゃねーぞコラ!って話ですが。

まず、IPは「Intellectual Property=知的財産」の略ですね。
【 IP 】 Intellectual Property /知的財産 / 知財 / 知的資産
知的財産とは、人間の知的活動によって創作された表現や、商業上有用になりうる情報や標識など、財産性のある無体物。各国の法制度や条約により、知的財産の考案者などに認められる排他的な使用権などの諸権利を知的財産権(IPR:Intellectual Property Rights)という。法律で権利保護の対象となっているものには著作物(著作権)や特許(特許権)、商標(商標権)、意匠(意匠権)、肖像(肖像権)などがある。主にビデオゲーム産業を中心とするエンターテインメント業界では、知名度や過去の実績が顕著な、有力な作品タイトルやシリーズ、キャラクターなどを指して知的財産(しばしばIPと略記される)と呼ぶことが多い。
引用:IT用語辞典

端的に言うと、著作権とかがあって、他人が勝手に使えない「創作物のアイデア」のことです。小説やゲーム、マンガみたいな作品自体はもちろん、ミッキーとかポケモンみたいなキャラクターなんかもIPに入ります。

今回、僕らがIPと言ってるのは、戯曲(台本)自体とその中で使ってるアイデア等です。それらを、今回観に来てくれた方限定で「オープン」にしますよー、というのが今回の「オープンIP化」ですね。

じゃあ、その「オープン」ってなんだよ?って話ですが……もう、どんどん「上演」「改変」「二次創作」しちゃって下さい!って事です。

【二次創作】
二次創作とは、原典となる創作物(以下「原作」という)に登場するキャラクター等を利用して、二次的に創作された、独自のストーリーの漫画、小説、フィギュアやポスター、カードなどの派生作品を指す。主として同人誌の分野において使用されている用語である。著作権者の許諾があれば、許諾の範囲内で二次創作物を作成する限りにおいて著作権侵害となることはない。公式サイトなどで、頒布方法や性表現の有無など一定の条件において二次創作を認めるガイドラインの提示を行っている法人や個人の著作権者もおり、ガイドラインに従って権利者に認められた範囲内で利用する場合は侵害にはならない。また、古典作品などをはじめとしたパブリックドメインに属する著作物など著作権フリーの物は、許諾をそもそも必要としない。
引用:wikipedia

「短編演劇見本市」が「上演自由」でなく「オープンIP化」を謳っているのは、作品を自由に切り刻んで好きなように使ってしまって欲しいからです。よく「上演は許可するけど、改変やカットは一切認めない、一字一句変えるな」という制限があったりしますが、そういうものも含めてうるさいこと言わないので、YOU~自由にやっちゃいなよ~ってわけです。

ここ数年で話題になったIPのオープン化だと、「バンダイナムコ カタログIPオープン化プロジェクト」 なんかがありますね。

バンナム 「パックマン」等、往年の人気IPを解放し二次創作を推奨することで、在野のクリエーターは表現の素材とモチーフを得ることができ、IP自体も現代に蘇って再び人々の目に触れる機会が得られる…というみんなが幸せになれる感じのやつです。

NICE STALKER でも過去に何作かゲームを製作しており、↑のようなオープンIPや素材のお世話になることも多く、1つのIPが二次創作で復活や進化を遂げていく、この界隈の文化は面白いし豊かだなあと感じています。

翻って、演劇作品はどうか…となると。

世の中で上演されている舞台作品の多くが、二次利用はもちろん、他団体で再演されることは稀です。原因の一つは、台本がオープンになっていなかったり、公開や販売されている事が少ない、からだと思います。他にも、他人の演劇作品を素材にして二次利用することに抵抗があったり、「表現=オリジナルのモチーフをゼロから生み出すこと」だという思い込みがあったりするんじゃないかなと…想像しています。

世の中には、0を1にすることが得意な人もいれば、1を10にしたり、10を100にしたりするのが得意な人、様々な適正をもったクリエーターさんがいるはずです。「最初の1さえあれば、それを100にも1000にもできる力があるのに、スタートの0を1にできないから作品が創れない…」って方は、存外に多いんじゃないでしょうか。

そういう方々が、気軽に最初の一歩を踏み出せるように、演劇の素材やモチーフも(作家さん自身がそれをウェルカムと思う限りは)どんどんオープンにしちゃっていいんじゃないかなと…実験的に始めた企画がこの「短編演劇見本市」というわけです。

シェイクスピアみたいな古典作品や、去年50年の著作権保護期間の切れた江戸川乱歩の小説なんかは、現在でも多くの団体が二次利用、二次創作のネタとして使ってますよね。そんな大家の作品に比肩する気はさらさらないですが…、うちではもう再演することも少ないだろうと思う過去の短編を、年末の喧騒と勢いに紛れて、モソッと野に放てたらな…と思っています。

(※一応の一応で補足ですが、作品の著作権を放棄したり、フリー素材として不特定多数の人に自由に配布していこう…という活動ではないです。原作の人の名前を消して、自分の作品として出版したり、WEB上でテキストを無作為にばら撒いたりすることを許容するわけではなくて、あくまで上演や二次創作に一切の制限をかけないですよ、一部でも全部でも好きなように上演しちゃってください!という宣言です。蛇足ですが、一応書いときました。よろしくおねがいします!)



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