前のページ ⇒ ②3万円を手に、いざ静岡へ!
実家のお母さんにおける2重スリットの謎
お母さん
これが小学校の時の卒業アルバムで、こっちが中学の時のね、それからこれが高校の…
イトウ
高校のはいいんだよ。小中のだけで。
お母さん
はいはい。お昼ご飯どうする?食べて行くでしょ?
イトウ
うーん、俺ら、結構駅弁とか食べてきちゃったからなあ…
お母さん
そうなの?でもあるから食べて行けば?
神宮寺
いいんですか?ごちそうになります!最近僕すごいお腹空くんですよ。
お母さん
よかった~。それじゃ用意するわね。
こだぬき
(神宮寺め、お母さんに好かれるキャラクター「よく食べる若者」に変化しおったな…)
イトウ
えーと俺は…
イトウ
いたいた!
こだぬき
え!?これですか!?割りとイケメンじゃないですか!
イトウ
昔はこんな感じだったんだよ。
こだぬき
今はこんなに気持ち悪…
お母さん
え?なあに?
こだぬき
いえ、なんでも。ゲフンゲフン。(お母さんにとってはイトウさんはイケメンで、まっとうな「演出家」なのだな…実際に稽古場でどんな変態ロリ○ンエチュードを繰り広げていようと、お母さんはその稽古風景を観測していないのだから…)
イトウ
あ、これが「S谷さん」だよ。
神宮寺
おおー…(なんとも言えない)
イトウ
あ、これは寄せ書きだね。
イトウ
あっ、これが「S谷さん」が書いてくれたのだ。
こだぬき
なんか呪いみたいなのも混ざってましたけど。
神宮寺
うーん、深い意味があるのか無いのか。
こだぬき
でもイトウさん、寄せ書きすごいいっぱいあるんですね。人気者だったんですねえー…
神宮寺
僕こんな卒業アルバムに書いてくれる友達いなかったなあ…
イトウ
まあ、アルバムはこのくらいにして…、俺の部屋見に行く?今は弟が使ってて、散らかってるんだけど。
ー勉強机
ー年代物のファミコンに 神宮寺
ん?
神宮寺
うわ、学年1位じゃないですか、すごい。
ー早稲田に「一文」があった時代。さくらももこも懐かしいポン。
ーあ、幽遊白書だ!
こだぬき
そういえば、王子で北川さんと話した時に、幽遊白書の思い出がどうとか言ってましたね。
イトウ
うん。幽遊白書の新刊が出たら貸し合いっこしてたんだよ。懐かしいなあ…
イトウ
これは何かのトリガーになるかもしれないから持って行こう。
イトウ
こだぬきさん、どうだった?
こだぬき
卒業アルバムとか、面白かったです。驚いたのは、イトウさんのお母さんがイトウさんのことをちっとも気持ち悪いと思っていないことです。本当は変態演出家なのに。
イトウ
そうだね。見ていない時に本当はどうなっているかなんてわからない。結局、「変態か、可愛いわが子か」という二つのスリットを通り抜けたものは、「スリットを通り抜けたかもしれない」という可能性でしかないんだ。
出典:二重スリット実験 – Wikipedia
イトウ
だからお母さんの目の前にいない俺、つまり観測する前の俺は「変態でもあり、可愛いわが子でもある」という重ね合わせの状態を持つ、シュレディンガーの猫なんだよ。
こだぬき
黙れ変態。
次のページ ⇒ ④ついに、量子的な彼女と再会!!