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実家のお母さんにおける2重スリットの謎

これが小学校の時の卒業アルバムで、こっちが中学の時のね、それからこれが高校の…

高校のはいいんだよ。小中のだけで。
お母さん
はいはい。お昼ご飯どうする?食べて行くでしょ?
イトウ
うーん、俺ら、結構駅弁とか食べてきちゃったからなあ…
お母さん
そうなの?でもあるから食べて行けば?
神宮寺
いいんですか?ごちそうになります!最近僕すごいお腹空くんですよ。
お母さん
よかった~。それじゃ用意するわね。

(神宮寺め、お母さんに好かれるキャラクター「よく食べる若者」に変化しおったな…)

えーと俺は…

いたいた!

え!?これですか!?割りとイケメンじゃないですか!
イトウ
昔はこんな感じだったんだよ。
こだぬき
今はこんなに気持ち悪…
お母さん
え?なあに?
こだぬき
いえ、なんでも。ゲフンゲフン。(お母さんにとってはイトウさんはイケメンで、まっとうな「演出家」なのだな…実際に稽古場でどんな変態ロリ○ンエチュードを繰り広げていようと、お母さんはその稽古風景を観測していないのだから…)
イトウ
あ、これが「S谷さん」だよ。

おおー…(なんとも言えない)
イトウ
あ、これは寄せ書きだね。




あっ、これが「S谷さん」が書いてくれたのだ。
こだぬき
なんか呪いみたいなのも混ざってましたけど。

うーん、深い意味があるのか無いのか。
こだぬき
でもイトウさん、寄せ書きすごいいっぱいあるんですね。人気者だったんですねえー…

僕こんな卒業アルバムに書いてくれる友達いなかったなあ…




まあ、アルバムはこのくらいにして…、俺の部屋見に行く?今は弟が使ってて、散らかってるんだけど。


ー勉強机

ー年代物のファミコンに

ん?

うわ、学年1位じゃないですか、すごい。


ーあ、幽遊白書だ!
こだぬき
そういえば、王子で北川さんと話した時に、幽遊白書の思い出がどうとか言ってましたね。

うん。幽遊白書の新刊が出たら貸し合いっこしてたんだよ。懐かしいなあ…

これは何かのトリガーになるかもしれないから持って行こう。

こだぬきさん、どうだった?
こだぬき
卒業アルバムとか、面白かったです。驚いたのは、イトウさんのお母さんがイトウさんのことをちっとも気持ち悪いと思っていないことです。本当は変態演出家なのに。
イトウ
そうだね。見ていない時に本当はどうなっているかなんてわからない。結局、「変態か、可愛いわが子か」という二つのスリットを通り抜けたものは、「スリットを通り抜けたかもしれない」という可能性でしかないんだ。

イトウ
だからお母さんの目の前にいない俺、つまり観測する前の俺は「変態でもあり、可愛いわが子でもある」という重ね合わせの状態を持つ、シュレディンガーの猫なんだよ。
こだぬき
黙れ変態。
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