えー、今日は出演候補の役者の皆さんに、
イトウの書いた台本を、実際に本読みしてもらって、いろいろ言ってもらう会です。

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↑2013年7月某日。次回企画「神様の言うとおり2 ~夏の夜の夢の超特急~」脚本検討会に集まった、役者13人とスタッフ3人

と言っても、普段、イトウは「出演者の台本に対する意見」は原則聞かないというポリシーなんですが。

「何で聞かないんですか!役者の意見は聞けないんですか?」

「もっと役者を信じた方がいいんじゃないですか」

「わたしがバカだからですか。バカだと思ってるんでしょ。」

「バカにしないでください!」

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…えー、現段階では皆さんはまだ出演者ではないので、いや、出演はして欲しいんですが、今日は特別に意見を聞いても良いことにしました。

「もっとわたしを信じて!」

…違います。

「何が違うんですか、キー!」

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先ず、他人の意見を聞かないとは言ってないです。その公演の「配役が決まった役者」の「台本の筋書きに対する意見」を「稽古が始まった後」に聞かないように気をつけてるんです。

「ファッ?何が違うの!?」

例えば稽古をしてて、自分の役や出てるシーンの中の、演出とかディティールとか、そういう所への意見は聞きます。ていうか、聞いてます。

「で?」

で、例えば稽古をしてて、「新たに自分の出てるこんなシーンを追加したら?」とか、「他の人の出てるあのシーンをこうしたら?」みたいな意見は聞きません。

「だから、なんで?」

理由は2つあって。

●良い役者は、無意識にストーリー全体より自分の演技のパフォーマンスを優先してしまうし、そうでなくてはいけない。

●登場人物自身が、台本の内容や台詞…物語の世界観を容易に変更できるという意識は、役作りに激しく有害。

特に2つ目が重要です。

役者が役作りで悩んだ時に、「自分の演技じゃなくて、役やストーリーの方を変更するという選択肢」が有ると、往々にして「自分のやりやすい、出来る範囲の演技」に収束しちゃうんです。上手く演じられない時でも、答えは「台本の内」にあると信じて、粘り強く自身と向き合うのが、役者の正しい姿勢だと思います。(もし、台本に問題があると思ったとしても。)

小劇場演劇の良さっていうのは、個性的な役者の特徴を生かした演技の面白さに尽きると思うんです。少なくとも、うちの集団は確実にそうです。

上手い・下手、人気・不人気を度外視して、イトウが面白いと思うタイプの女優(と、それを引き受ける度量を持った「人間の出来た」男優)さんを集めて、さらに一人一人に「あて書き」で台詞を書いてるので。

つまり、普通の台本より、その役者個人宛てへの情報量が異常に多い台本なんです。

言うなれば!これは出演女子一人一人へのラブレターなんです!

「うーん…。」

まあ、だからこそ、代わりに、出演者じゃないブレーンの人に、台本や通し稽古を見てもらって、意見をもらうようにしてますし、、、

苦肉の策で、今日、このまだ配役や出演の確定していない今のタイミングなら、出演候補の役者さんの意見を聞いてもギリギリセーフだろう、ということで、この脚本検討会を開かせていただきました。

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「…納得いかねえけど、まあいいや。本読みしよ」



(続く)